糖尿病の診断基準は?HbA1cと血糖値による検査と対応方法を解説|東坂戸クリニック|坂戸市 糖尿病内科|専門医と管理栄養士による食事指導が充実

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糖尿病の診断基準は?HbA1cと血糖値による検査と対応方法を解説

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2026年7月28日

糖尿病の診断基準は?HbA1cと血糖値による検査と対応方法を解説

健康診断で血糖値やHbA1cの高さを指摘され、ご自身の体の状態が気になっていませんか。糖尿病の診断は血液検査の数値で行われますが、その見方がわからず不安を感じる方も多いと考えられます。

この記事では、糖尿病の具体的な診断基準値や診断が確定するまでの流れ、対応方法を紹介します。検査結果が示す意味を正しく理解し、今後の見通しを立てることで、適切な一歩を踏み出すきっかけにしてください。

糖尿病診断の2つの指標

糖尿病の診断は、血液検査で「①HbA1c」と「②血糖値」の数値を調べて判断します。

HbA1cは過去1〜2か月間の血糖の平均値を、血糖値は検査した時点の血糖の状態をそれぞれ示す数値です。時間軸の異なる2つの指標を組み合わせることで体の状態を把握し、総合的に診断を下します。

①HbA1c

HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)は、過去1〜2か月間の平均的な血糖状態を反映する指標です。(※1)血液中の赤血球に含まれるヘモグロビン(血色素)というタンパク質に、ブドウ糖がどれくらいの割合で結合しているかを測定します。

赤血球の寿命が約4か月であることから、HbA1cを調べることで過去1〜2か月間の平均的な血糖値がわかります。

HbA1cの検査は、検査直前の食事や運動に結果が左右されにくいため、日常生活の血糖コントロールの状態を正確に評価可能です。健康診断でのスクリーニングや、治療の効果を判定するうえで広く用いられています。

また、がん治療薬である免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の副作用で起こる特殊な糖尿病の診断でも、血糖値と並行してHbA1cの測定が重要視されています。(※2)

②血糖値

血糖値は、血液中に含まれるブドウ糖の濃度を測定した数値で、検査した瞬間の値をリアルタイムに反映します。(※3)食事や運動、ストレスなどのさまざまな要因で常に変動するため、測定するタイミングによって評価の方法が変わることに注意が必要です。

血糖値を測定する主な検査は、以下の3種類です。

  • 空腹時血糖値:10時間以上食事を摂らず、空腹の状態で測定した値
  • 随時血糖値:食事の時間とは関係なく、任意のタイミングで測定した値
  • 75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT):ブドウ糖液を飲んだあとの血糖値の変動を追跡し、糖の処理能力を調べる検査


血糖値は、膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンというホルモンによって一定の範囲に保たれています。しかし、1型糖尿病になると、自分の体を攻撃する免疫反応(自己免疫)によってβ細胞が破壊され、インスリンがほとんど作られなくなり、血糖値が高くなります。

糖尿病の診断基準

糖尿病の診断は、一度の検査結果で決まるわけではありません。慢性的に血糖値が高い状態が続いていることを確認し、治療が必要な糖尿病であるかを判断するために、明確な基準が設けられています。

ここでは、以下の3つの診断基準を解説します。

  1. 血糖値による判定基準
  2. HbA1cによる判定基準
  3. 血糖値とHbA1cの結果が異なる場合の診断

①血糖値による判定基準

血糖値による判定では、検査のタイミングに応じて3つの基準値が設けられています。次のうち、いずれか1つでも当てはまると「糖尿病型」と判定され、糖尿病の可能性が濃厚です。(※4)

項目 基準値
空腹時血糖値(10時間以上食事を摂らずに測定した値) 126mg/dL以上
75gOGTT 2時間値(ブドウ糖液を飲んだ2時間後に測定した値) 200mg/dL以上
随時血糖値(食事の時間に関係なく測定した値) 200mg/dL以上

これらは、糖尿病診療ガイドライン2024に準拠した基準値です。いずれの検査も、患者さんから採取した血液を用いて行われます。

②HbA1cによる判定基準

過去1〜2か月の平均血糖値を反映するHbA1cでは、6.5%以上の場合に「糖尿病型」と判定されます。ただし、原則としてHbA1cの数値のみで糖尿病と確定診断することはありません。血糖値とあわせて評価することが重要です

急激に血糖値が変動する劇症1型糖尿病などでは、HbA1cの上昇が血糖値の変動に追いつかず、見逃される可能性があります。特に1型糖尿病は、発症年齢や進行スピードが人によって異なり、診断基準を画一的に当てはめることが難しい場合も少なくありません。(※5)

また、鉄欠乏性貧血で数値が高めに出たり、妊娠中や腎不全、肝硬変などで低めに出たりと、体の状態によって実際の血糖状態とズレが生じることもあります。HbA1cの検査結果の解釈には、専門的な判断が求められます。

③血糖値とHbA1cの結果が異なる場合の診断

健康診断などでは、血糖値とHbA1cのどちらか一方だけが基準値を超えているケースも少なくありません。血糖値とHbA1cの結果が異なる場合、一度の検査だけで「糖尿病」と診断せず、日を改めて再検査を行います。

それぞれのパターンでの対応を、以下の表にまとめました。(※4)

検査結果 対応方針
血糖値のみが糖尿病型

原則として再検査で診断を確定

再検査で血糖値とHbA1cの一方でも基準値を上回っていた場合は「糖尿病」、 いずれも基準値を下回っていたら「糖尿病疑い」と診断される

ただし、口の渇き、多飲、多尿などの症状や糖尿病網膜症が確認された場合は、 初回検査で糖尿病と診断されることもある

HbA1cのみが糖尿病型

血糖値の再検査が必要

再検査で血糖値が基準値を超えていれば「糖尿病」と診断される

HbA1cのみが基準値を超えていたり、いずれも基準値を下回っていたりした場合は 「境界型」とされる

このように、診断プロセスは慎重に進められます。再検査で「糖尿病疑い」と診断されたら、3〜6か月以内に血糖値・HbA1cを再検査し、診断を確定させます。

糖尿病の診断の流れと対応方法

ここでは、糖尿病の疑いがある場合の診断の流れと対応方法として、以下の3つの内容を解説します。

  1. 診断プロセス
  2. 生活習慣の改善
  3. 薬物療法

①診断プロセス

糖尿病の診断は問診と血液検査から始まり、一度の検査で確定する場合と、日を改めて再検査が必要になる場合があります。健康診断などで血糖値やHbA1cの異常を指摘されたら、まずは内科や糖尿病内科を受診しましょう。

診断の一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 初回検査:問診や診察に加え、血糖値とHbA1cを測定する
  2. 診断の確定:再検査の要否を判断する
  3. 追加検査:再検査でも診断がはっきりしない場合、75gOGTTを行うことがある
  4. 確定診断後:一人ひとりの状態に合わせた治療方針を決定し、治療を開始する

初回検査で血糖値とHbA1cの両方が「糖尿病型」なら、当日に「糖尿病」と診断されます。どちらか一方のみが「糖尿病型」の場合や、正常でも糖尿病でもない「境界型」の場合は、後日再検査を行います。

②生活習慣の改善

糖尿病治療で行われるのが、食事と運動を中心とした生活習慣の改善です。薬物療法の有無にかかわらず、診断された日から合併症を防げるよう日々の生活を見直すことが大切です。医師や管理栄養士と相談しながら、無理なく続けられる目標を立てていきましょう。

食事と運動の改善ポイントを以下の表にまとめました。

項目 具体的な内容
食事療法(血糖値の急上昇を抑える)
  • 野菜やきのこ、海藻類を先に食べ、糖の吸収を穏やかにする
  • 炭水化物(糖質)の量を調整するだけでなく、玄米や全粒粉パンなど食物繊維の多いものを選ぶ
  • 食べ過ぎを防げるよう、ゆっくりよく噛んで食べる
  • 朝食を抜いたり、食事の間隔が空きすぎたりすることを避ける
運動療法(糖を消費しやすい体をつくる)
  • 有酸素運動と筋トレを組み合わせる
  • 週に合計150分以上を目標に、まずは「少し歩く時間を増やす」など、できることから始める

筋肉は、体内で多くのブドウ糖を消費してくれる存在です。運動によって筋肉量(除脂肪体重)を維持・増加させることは、血糖をコントロールするうえで重要です。

③薬物療法

薬物療法は、生活習慣の改善を続けても血糖コントロールが目標に届かない場合に、治療をサポートする目的で開始します。あくまで治療の主役は食事と運動であり、薬はそれを補助する役割です。薬を始めたあとも、生活習慣の改善は継続してください。

治療薬には、飲み薬(経口血糖降下薬)やインスリンなどの注射薬があります。患者さん一人ひとりの血糖値の状態や年齢、合併症の有無、ライフスタイルなどを総合的に考慮して適した種類が選択されます。

自己判断で薬の量を調整したり中断したりすると、血糖値が急激に悪化し、重篤な状態に陥る可能性があるので、医師の指示に従って治療を続けましょう。

糖尿病の診断に関するよくある質問

糖尿病の診断や治療について、患者さんから多く寄せられる以下の3つの質問にお答えします。

  1. 何科を受診すべき?
  2. 治療にはどれくらいの費用がかかる?
  3. 糖尿病を放置するとどうなる?

何科を受診すべき?

健康診断などで血糖値の異常を指摘されたら、まずは内科を受診してください。かかりつけ医がいれば、これまでの健康状態も踏まえて相談できるためスムーズに診断してもらえます。

内科では、初期の診断と治療が可能です。より専門的な管理が必要と判断された場合は、糖尿病内科や内分泌内科などの専門の医療機関へ紹介される流れが一般的です。

大切なのは、どの科を受診するかで迷うよりも、まず指摘された異常を放置しないことです。早めに医療機関へ相談しましょう。

治療にはどれくらいの費用がかかる?

糖尿病の治療費は、健康保険が適用され、治療内容によって変動します。費用の内訳は、主に以下の3つで構成されています。

  • 診察料:初診料や再診料
  • 検査料:血液検査(HbA1c、血糖値)、尿検査など
  • 薬剤料:飲み薬やインスリン注射などの処方薬の費用

3割負担の場合、月に1度の通院と一般的な飲み薬での治療であれば、1か月あたり数千円程度が目安です。インスリン治療を開始したり、合併症の精密検査を行ったりする場合は、月額で1万円以上かかることがあります。

なお、1か月の医療費が上限額を超えた場合には、その超過分が支給される高額療養費制度という公的な助成制度も利用できます。費用のことでご不安な点があれば、診察時に遠慮なくご相談ください。

糖尿病を放置するとどうなる?

糖尿病を治療せずにいると、自覚症状がないまま高血糖が全身の血管をむしばみ、さまざまな合併症を引き起こします。

特に三大合併症と呼ばれる以下の血管障害には、注意が必要です。

  • 糖尿病網膜症:目の網膜の毛細血管が傷つき、視力低下や失明につながる可能性がある
  • 糖尿病腎症:腎臓の濾過機能が低下し、人工透析が必要になることがある
  • 糖尿病神経障害:手足のしびれや痛み、感覚が鈍くなるなどの症状が現れる

これらの合併症は、一度進行してしまうと元の状態に戻すのは困難です。しかし、早期に治療を開始し、患者さん一人ひとりの状態に合わせて治療計画を立てて介入すれば、合併症の進行を食い止めることが期待できます。(※6)

また、糖尿病になると、太い血管の動脈硬化も進みやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などの病気のリスクも高まります。診断を受けたら、一日でも早く治療を始めることが重要です。

まとめ

糖尿病の診断は、HbA1cと血糖値という2つの指標を組み合わせて総合的に判断され、診断後は生活習慣の改善が治療の基本となります。診断基準は明確ですが、一度の検査結果だけで判断されるのではなく、慢性的な高血糖の状態を慎重に評価して判断されます。

自覚症状がないまま進行し、放置すると深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、早期の対応が大切です。健康診断などで血糖値やHbA1cの異常を診断された場合は、ご自身の将来の健康を守るためにも、まずはかかりつけ医や内科へ相談してみましょう。

東坂戸クリニックでは、糖尿病専門医による診療に加え、管理栄養士や糖尿病療養指導士と連携したチーム医療を行っています。血糖値やHbA1cが気になる方、健診で異常を指摘された方は、お気軽にご相談ください。

参考文献

  1. 国立研究開発法人国立循環器病研究センター: 「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)ってなに?」
  2. Eleni-Rafaela Kani, Eleftheria Karaviti, Dimitra Karaviti, Eleni Gerontiti, Ioanna A Paschou, Katerina Saltiki, Katerina Stefanaki, Theodora Psaltopoulou, Stavroula A Paschou. Pathophysiology, diagnosis, and management of immune checkpoint inhibitor-induced diabetes mellitus. Endocrine. 2025;87(3):875-890.
  3. 国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター: 「糖尿病と関連する検査」
  4. 日本糖尿病学会: 「糖尿病診療ガイドライン2024」
  5. Kristie I Aamodt, Alvin C Powers. The pathophysiology, presentation and classification of Type 1 diabetes. Diabetes Obes Metab. 2025;27(Suppl 6):15-27.
  6. Jennifer I Lim, Stephen J Kim, Steven T Bailey, Jaclyn L Kovach, G Atma Vemulakonda, Gui-Shuang Ying, Christina J Flaxel. Diabetic Retinopathy Preferred Practice Pattern®. Ophthalmology. 2025;132(4):P75-P162.

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